TikTok広告の始め方|若年層にリーチする方法
導入
TikTokは、世界で10億人以上のアクティブユーザーを持つ、最も急成長しているソーシャルメディアプラットフォームです。日本でも約2,700万人のユーザーが利用しており、特に10代から20代の若年層において圧倒的な人気を誇っています。短尺動画を中心としたコンテンツ形式は、ユーザーの可処分時間の多くを占めるようになり、マーケティングチャネルとしての重要性は年々高まっています。
TikTok広告の最大の魅力は、従来のSNS広告では難しかった若年層への効果的なリーチが可能なことです。また、TikTokのユーザーはコンテンツを楽しむために積極的にアプリを利用しており、エンターテインメント性の高い広告であれば、広告としてではなくコンテンツとして受け入れられる可能性が高いのです。
本記事では、TikTok広告の始め方から、若年層に効果的にリーチするためのクリエイティブ戦略まで詳しく解説します。
TikTok広告の特徴
TikTokプラットフォームの特性
TikTok広告を効果的に運用するためには、まずプラットフォームの特性を理解することが重要です。
TikTokの核となるのは、AIによるレコメンデーションアルゴリズムです。「おすすめ」フィードでは、ユーザーの興味関心や行動パターンに基づいて、パーソナライズされたコンテンツが表示されます。フォローしているアカウントの投稿だけでなく、新しいクリエイターや広告も自然に混ざって表示されるため、広告がオーガニックコンテンツに溶け込みやすいという特徴があります。
コンテンツの形式は、15秒から10分までの縦型動画が中心です。ただし、最も人気があり、エンゲージメントが高いのは15秒から60秒程度の短い動画です。音楽やサウンドがコンテンツの重要な要素となっており、BGMやトレンドの音源を活用した動画が好まれます。
TikTokユーザーの特徴
TikTok広告のターゲットとなるユーザー層の特徴を把握しておきましょう。
年齢層は、10代から20代が中心ですが、近年は30代以上のユーザーも増加しています。日本では、10代のユーザーが約25%、20代が約30%を占めており、若年層へのリーチに優れています。
利用シーンとしては、通学・通勤中、就寝前、休憩時間などが多く、隙間時間でコンテンツを消費する傾向があります。平均利用時間は1日あたり約90分と、他のSNSと比較しても非常に長いのが特徴です。
コンテンツへの態度として、TikTokユーザーはエンターテインメントを求めてアプリを開きます。面白い、驚きがある、共感できる、学びがあるといったコンテンツが好まれます。広告であっても、これらの要素を満たしていれば、積極的に視聴してもらえます。
他のSNS広告との違い
TikTok広告と他のSNS広告の主な違いを理解しておきましょう。
コンテンツ形式の違いとして、TikTokは縦型の短尺動画に特化しています。Meta広告やX広告では画像広告も効果的ですが、TikTokでは動画コンテンツが必須です。
ユーザーの期待の違いとして、TikTokユーザーはエンターテインメント性の高いコンテンツを期待しています。他のプラットフォームで効果的な「広告っぽい」クリエイティブは、TikTokでは敬遠される傾向があります。
発見のされ方の違いとして、TikTokのレコメンデーションアルゴリズムにより、フォロワー数が少なくても良質なコンテンツは多くのユーザーに届く可能性があります。これは広告にも同様に当てはまり、エンゲージメントの高い広告はより多くの表示機会を得られます。
広告フォーマット
インフィード広告
インフィード広告は、ユーザーの「おすすめ」フィードに表示される最も基本的な広告形式です。オーガニックの投稿と同様に縦型フルスクリーンで表示され、ユーザー体験を損なわずに広告を届けることができます。
広告の長さは5秒から60秒まで設定可能ですが、最初の数秒でユーザーの注意を引く必要があるため、15秒から30秒程度が効果的とされています。
インフィード広告では、「詳しくはこちら」「今すぐ購入」「アプリをダウンロード」などのCTAボタンを設置でき、ウェブサイトやアプリストアへの誘導が可能です。
課金方式は、CPM(インプレッション課金)、CPC(クリック課金)、oCPM(最適化インプレッション課金)から選択できます。目的に応じて適切な課金方式を選びましょう。
TopView広告
TopView広告は、ユーザーがTikTokアプリを開いた際に最初に表示される広告です。最大60秒の動画を、サウンドオンの状態で視聴してもらえる、非常にインパクトの大きい広告形式です。
1日1社限定の枠のため、大規模なブランド認知キャンペーンや、新商品のローンチに適しています。コストは高額になりますが、確実に多くのユーザーにリーチでき、高い視聴完了率を期待できます。
ブランドテイクオーバー
ブランドテイクオーバーは、アプリ起動時に表示される3秒から5秒の静止画または動画広告です。TopView広告の前に表示され、インフィードやTopViewへの誘導に使用されます。
こちらも1日1カテゴリ1社限定の枠で、ブランドの存在感を最大限にアピールしたい場合に効果的です。
ハッシュタグチャレンジ
ハッシュタグチャレンジは、ブランドがオリジナルのハッシュタグを作成し、ユーザーにそのハッシュタグを使った動画投稿を促すキャンペーン形式です。ユーザー参加型のコンテンツにより、大きなバイラル効果を生み出す可能性があります。
チャレンジ専用のランディングページが用意され、参加動画が一覧表示されます。インフルエンサーとのコラボレーションを組み合わせることで、チャレンジの拡散を加速させることができます。
成功するハッシュタグチャレンジの条件として、参加しやすいこと(難しすぎない)、楽しいこと(ユーザーが投稿したくなる)、ブランドとの関連性があること、が挙げられます。
ブランドエフェクト
ブランドエフェクトは、AR(拡張現実)技術を使ったカスタムエフェクトやフィルターを作成し、ユーザーに使用してもらう形式です。ハッシュタグチャレンジと組み合わせることで、さらに高いエンゲージメントを得られます。
例えば、化粧品ブランドがバーチャルメイクアップフィルターを提供したり、飲料ブランドが商品を使ったARゲームを作成したりといった活用方法があります。
Spark Ads
Spark Adsは、オーガニックのTikTok投稿を広告として配信する機能です。自社アカウントの投稿はもちろん、クリエイターの投稿(許可を得た上で)を広告として活用することもできます。
Spark Adsのメリットは、すでにエンゲージメントを獲得しているオーガニックコンテンツを広告として拡散できることです。広告っぽさが軽減され、ユーザーに自然に受け入れられやすくなります。また、広告経由で獲得した「いいね」やコメントは、元の投稿に蓄積されます。
クリエイティブ
TikTokらしいコンテンツとは
TikTok広告で成果を上げるためには、プラットフォームのカルチャーに合ったクリエイティブを作成することが最も重要です。
TikTokの公式ガイドラインでは、「Don’t make ads. Make TikToks.(広告を作るな。TikTokを作れ)」というメッセージが繰り返し発信されています。これは、従来の広告クリエイティブをそのまま使うのではなく、TikTokのオーガニックコンテンツに溶け込むようなクリエイティブを作成すべきという意味です。
TikTokらしいコンテンツの特徴として、まずリアルさ・オーセンティックさが挙げられます。過度に作り込まれたスタジオ撮影の映像より、スマートフォンで撮影したような自然な映像の方が好まれます。
次に、エンターテインメント性です。面白い、驚きがある、感動する、学びがあるなど、何らかの価値を提供するコンテンツが効果的です。
また、トレンドの活用も重要です。流行りの音源、エフェクト、フォーマットを取り入れることで、オーガニックコンテンツに溶け込みやすくなります。
効果的なクリエイティブの作り方
TikTok広告で効果的なクリエイティブを作成するためのポイントを紹介します。
最初の1秒から2秒が勝負です。TikTokではユーザーが簡単にスワイプして次の動画に移れるため、冒頭で興味を引けなければすぐにスキップされます。インパクトのあるビジュアル、意外性のある始まり、疑問を投げかけるテキストなどで、視聴を継続させましょう。
縦型フルスクリーンを最大限に活用しましょう。9:16のアスペクト比で、画面全体を使ったダイナミックな表現が可能です。横型動画の流用は避け、TikTok専用のクリエイティブを作成することが重要です。
音声とサウンドを効果的に使いましょう。TikTokでは多くのユーザーがサウンドオンで視聴しています。トレンドの音源を使用したり、ナレーションを入れたりすることで、エンゲージメントを高められます。
テンポの良い編集を心がけましょう。カット割りを多くし、視覚的な変化をつけることで、最後まで視聴してもらいやすくなります。1つのカットは長くても3秒程度に抑えるのが目安です。
CTAは明確に、でも自然に入れましょう。「詳しくはプロフィールのリンクから」「今すぐチェック」といったCTAは、動画の流れの中で自然に伝えることが大切です。
成功するコンテンツの種類
TikTok広告として効果的なコンテンツの種類を紹介します。
チュートリアル・ハウツー形式は、商品の使い方、美容テクニック、料理レシピなど、実用的な情報を短時間で伝えるコンテンツです。「○○のやり方」「○○秒でできる○○」といった形式が人気です。
ビフォーアフター形式は、変化を見せるコンテンツで、美容、ダイエット、インテリア、クリーニングなどの分野で効果的です。視覚的な変化がインパクトを与えます。
日常・舞台裏形式は、製品の製造過程、オフィスの日常、スタッフの紹介など、ブランドの人間味を感じさせるコンテンツです。親近感を生み出すのに効果的です。
UGC風コンテンツは、一般ユーザーが投稿したかのような、自然でリアルなコンテンツです。「この商品を使ってみた」「正直レビュー」といった形式で、信頼性と共感を生み出します。
トレンド参加形式は、現在流行しているチャレンジ、音源、フォーマットを取り入れたコンテンツです。トレンドに乗ることで、オーガニックコンテンツに溶け込みやすくなります。
ターゲティング
デモグラフィックターゲティング
TikTok広告では、基本的なデモグラフィック情報に基づいたターゲティングが可能です。
地域ターゲティングでは、国、都道府県、市区町村レベルでの配信地域を設定できます。ローカルビジネスの場合、特定の地域に絞った配信が効果的です。
年齢ターゲティングでは、13歳から55歳以上まで、年齢層を指定できます。TikTokは若年層が多いプラットフォームですが、ターゲットに応じて適切な年齢層を設定しましょう。
性別ターゲティングでは、男性、女性、すべてから選択できます。商品やサービスのターゲットに応じて設定します。
言語ターゲティングでは、ユーザーのアプリ設定言語に基づいてターゲティングできます。
興味関心ターゲティング
ユーザーのTikTok上での行動に基づいた興味関心ターゲティングが可能です。
興味関心カテゴリでは、「ビューティー」「ファッション」「テクノロジー」「フード」「スポーツ」など、幅広いカテゴリから選択できます。さらに細かいサブカテゴリも用意されています。
ユーザーがエンゲージメントしたコンテンツ、視聴した動画、フォローしているアカウントなどに基づいて、興味関心が判定されます。
行動ターゲティング
ユーザーの行動パターンに基づいたターゲティングも可能です。
動画インタラクションでは、特定のカテゴリの動画に「いいね」やコメント、シェアをしたユーザーをターゲットにできます。
クリエイターインタラクションでは、特定のタイプのクリエイターをフォローしている、またはインタラクションしているユーザーをターゲットにできます。
ハッシュタグインタラクションでは、特定のハッシュタグが付いた動画を視聴した、またはインタラクションしたユーザーをターゲットにできます。
カスタムオーディエンスと類似オーディエンス
自社データを活用したターゲティングも可能です。
顧客リストでは、メールアドレスや電話番号のリストをアップロードし、TikTokユーザーとマッチングさせてターゲティングできます。
ウェブサイトトラフィックでは、TikTokピクセルを設置することで、サイト訪問者にリターゲティング広告を配信できます。
アプリアクティビティでは、アプリにSDKを実装することで、アプリユーザーの行動に基づいたターゲティングが可能です。
エンゲージメントでは、TikTok上で広告やオーガニックコンテンツにエンゲージメントしたユーザーをターゲットにできます。
類似オーディエンスでは、カスタムオーディエンスを元に、似た特徴を持つ新規ユーザーを見つけることができます。
まとめ
TikTok広告は、若年層を中心としたユーザーに効果的にリーチできる、急成長中の広告プラットフォームです。従来のSNS広告とは異なるアプローチが求められますが、プラットフォームの特性を理解し、適切なクリエイティブを作成することで、大きな成果を上げることができます。
効果的なTikTok広告運用のポイントをまとめると、まずTikTokらしいコンテンツを作成することが最も重要です。「広告を作るな。TikTokを作れ」というガイドラインに従い、オーガニックコンテンツに溶け込むようなエンターテインメント性の高いクリエイティブを目指しましょう。
次に、最初の数秒で視聴者の注意を引くことが必要です。TikTokではスキップが容易なため、冒頭でインパクトを与え、視聴を継続させることが重要です。
トレンドを活用することも効果的です。流行りの音源、エフェクト、フォーマットを取り入れることで、プラットフォームに自然に溶け込むコンテンツを作成できます。ただし、トレンドの移り変わりが早いため、常に最新の動向をキャッチアップする必要があります。
Spark Adsの活用も検討しましょう。オーガニックコンテンツを広告として拡散することで、より自然なリーチが可能になります。インフルエンサーとのコラボレーションも効果的です。
TikTokは、特に若年層へのマーケティングにおいて、今後ますます重要なチャネルとなっていくでしょう。ぜひこの記事を参考に、TikTok広告への取り組みを始めてみてください。