Zapier × AI|ワークフロー自動化の新時代
導入
現代のビジネスでは、様々なツールを組み合わせて業務を行っています。メール、カレンダー、CRM、プロジェクト管理ツール、コミュニケーションツールなど、日々複数のアプリを行き来しながら仕事を進めています。
これらのツール間で情報を手動でコピー・転記する作業は、時間がかかるだけでなくミスの原因にもなります。Zapierは、こうしたツール間の連携を自動化するサービスです。そしてAI機能の追加により、単純な連携だけでなく、インテリジェントな判断を含む自動化が可能になりました。
Zapierとは
Zapierは、異なるWebアプリケーション間を連携させる自動化プラットフォームです。
基本的な仕組み
Zapierの自動化は「Zap」と呼ばれ、トリガーとアクションで構成されます。
- トリガー:自動化を開始するきっかけ(例:メールを受信したとき)
- アクション:トリガー後に実行される処理(例:Slackに通知を送る)
例えば、「Google Formに回答があったら → Slackに通知する」「Stripeで支払いがあったら → Googleスプレッドシートに記録する」といった自動化を、プログラミング不要で構築できます。
連携可能なアプリ
Zapierは7,000以上のアプリと連携可能です。主要なものには以下があります。
- コミュニケーション:Slack、Microsoft Teams、Discord
- CRM:Salesforce、HubSpot、Pipedrive
- プロジェクト管理:Asana、Trello、Notion
- マーケティング:Mailchimp、ActiveCampaign
- 決済:Stripe、PayPal、Square
- ドキュメント:Google Workspace、Microsoft 365
料金プラン
無料プランでは月100タスク、5つのZapまで利用可能。より多くの自動化が必要な場合は、月額19.99ドルからの有料プランがあります。
AI機能
ZapierにはAI機能が統合されており、より高度な自動化が可能です。
AI by Zapier
「AI by Zapier」は、Zapのステップ内でAIを活用できる機能です。
- テキスト生成:プロンプトに基づいて文章を生成
- 要約:長文を要約
- 分類:テキストをカテゴリに分類
- データ抽出:非構造化テキストから情報を抽出
- 翻訳:テキストを多言語に翻訳
ChatGPTとの連携
ZapierはChatGPT(OpenAI)と直接連携できます。
- カスタムプロンプトを設定してChatGPTを呼び出し
- 会話の履歴を保持した連続的な対話
- 特定のタスクに特化したAI処理
Zapier Copilot
Zapier Copilotは、Zap作成を支援するAI機能です。
- 自然言語でやりたいことを説明すると、Zapを自動生成
- 既存のZapの改善提案
- エラーの解決方法の提案
「毎週月曜日に、先週の売上レポートをSlackに送りたい」と入力すれば、必要なZapの構成を提案してくれます。
自動化例
AIを活用したZapierの具体的な自動化例を紹介します。
メール対応の自動化
シナリオ:受信メールの内容をAIで分類し、適切な担当者に振り分け
- トリガー:Gmailで新規メールを受信
- AIアクション:メール内容から問い合わせカテゴリを判定(営業、サポート、請求など)
- 条件分岐:カテゴリに応じて異なるSlackチャンネルに通知
- AIアクション:返信ドラフトを生成してGmailに下書き保存
リード管理の自動化
シナリオ:問い合わせフォームからのリードを自動でスコアリング
- トリガー:Typeformでフォーム送信
- AIアクション:回答内容からリードスコアを算出
- アクション:HubSpotに連絡先を追加(スコア付き)
- 条件分岐:高スコアのリードは営業担当にSlack通知
コンテンツ制作の効率化
シナリオ:ブログ投稿のプロモーション用SNS投稿を自動生成
- トリガー:WordPressで新規投稿が公開
- AIアクション:記事内容を要約
- AIアクション:Twitter用の投稿文を生成
- AIアクション:LinkedIn用の投稿文を生成
- アクション:Bufferに予約投稿として登録
カスタマーサポートの効率化
シナリオ:サポートチケットの初期対応を自動化
- トリガー:Zendeskで新規チケット作成
- AIアクション:チケット内容を分析してカテゴリと緊急度を判定
- アクション:チケットにタグを追加
- AIアクション:FAQに基づいた回答ドラフトを生成
- 条件分岐:緊急度が高い場合は即座にSlack通知
データ入力の自動化
シナリオ:メールの添付ファイルから情報を抽出
- トリガー:特定の件名でメールを受信
- AIアクション:添付されたPDF/画像からテキストを抽出
- AIアクション:抽出したテキストから必要な情報を構造化
- アクション:Googleスプレッドシートに記録
設定方法
AI機能を活用したZapの設定方法を説明します。
基本的な設定手順
- Zapierにログイン:Zapier.comでアカウントを作成またはログイン
- Create Zapをクリック:新しいZapを作成
- トリガーを設定:起動条件となるアプリとイベントを選択
- AIアクションを追加:「AI by Zapier」または「ChatGPT」を選択
- プロンプトを設定:AIに何をさせるかを指示
- 後続アクションを設定:AI処理の結果を使った次のアクション
- テスト:Zapが正しく動作するかテスト
- 公開:Zapを有効化
AIプロンプトのコツ
効果的なAIプロンプトを設定するためのポイントです。
- 具体的に指示する:「要約して」ではなく「3文以内で要点を要約して」
- 出力形式を指定する:「JSON形式で」「箇条書きで」など
- 例を示す:期待する出力の例を含める
- 変数を活用する:前のステップのデータを変数として埋め込む
エラー対応
AI処理でエラーが発生した場合の対処法です。
- タイムアウト:AIの処理時間が長すぎる場合は、プロンプトを短くする
- 予期しない出力:プロンプトに出力形式を明確に指定する
- API制限:利用量が多い場合は、処理頻度を調整するか上位プランに変更
まとめ
ZapierとAIの組み合わせは、業務自動化の可能性を大きく広げました。単純な「AからBへデータを送る」だけでなく、「データを分析・判断してから処理する」という知的な自動化が実現できます。
導入のポイントは以下の通りです。
- 小さく始める:まずは1つの自動化から始めて効果を検証
- 繰り返し作業を特定する:日々繰り返している手動作業を洗い出す
- 段階的に拡張する:基本的なZapを作成してから、AI機能を追加
- 定期的に見直す:自動化の効果を測定し、改善を続ける
プログラミングの知識がなくても、ZapierとAIを組み合わせることで、高度な業務自動化を実現できます。まずは小さな自動化から始めて、徐々に範囲を広げていきましょう。